​筋肉・筋膜整体の理論背景

筋肉・筋膜整体の理論背景

 

よしかわ整骨院で行う筋肉・筋膜の整体は、筋肉や筋膜が原因の痛み、しびれ、関節の動きの制限、その他不定愁訴などに対する手技療法です。

筋肉や筋膜に異常が生じると、そこの血液の流れは悪くなり、酸素不足・栄養不足となります。

すると身体は血液の流れを良くしようと、ブラジキニンなどのような発痛物質やプロスタグランジンを産生し、その場所が痛みの発生源となります。

よしかわ整骨院では、異常のある筋肉・筋膜に対して圧迫、摩擦、伸長刺激を加える事により、筋肉・筋膜の状態を改善し様々な症状の改善を目指します。

 

 

※椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性関節症などの診断を受けていても、筋肉や筋膜が原因の痛みが併発している事がありますので、筋肉・筋膜への施術を行う事で症状の軽減、改善が期待できます。

めまいや耳の症状、歯痛も筋肉・筋膜の異常から生じる場合があります。

先に専門医を受診していただき、異常がなかった場合には筋肉・筋膜への施術をおすすめします。

 

痛みとは?

 

痛みは生命を守る警告信号として重要な働きをしています。

痛みを感じなければ、多くの方は命を全うできません。

組織の傷害を伝える警告信号が備わっていないということは傷や火傷をしても気づく事が出来ません。

また痛みは免疫機能にも関与しているため、痛みを感じない状態で多くの傷や火傷を負う事は、感染症の要因にもなり生命が危険にさらされます。

 

痛みには、症状としての痛みと、病気としての痛みという発生機序がまったく異なる2種類の痛みがあります。

症状としての痛み

 

症状としての痛みの急性痛は、末梢組織(皮膚や筋肉など)に傷や炎症があり、痛覚受容器(痛みを感じる器官)の興奮によって生じます。

この痛みは、何らかの組織障害(傷)を知らせる痛みであり警告信号としての重要な意味を持ちます。

急性痛は慢性痛に移行させないため速やかに取り除くべき痛みです。

慢性痛では、痛みのために動きが制限されていたり、悪い姿勢を続けていたり、活動不足の状態が長く続いていたりする場合が多いです。

 

こういう状態は、二次的三次的に障害を招き、元の慢性痛の痛みだけでなく、急性痛の痛みも併発し、痛みの増悪を引き起こします。

 

また、そのまま放置すれば、筋はその状態で拘縮を起こし、廃用性の萎縮(使わない事による萎縮)に陥り、運動制限はますます増強されます。

筋のサルコメア(筋肉の機能上最小単位)の数の減少を伴う短縮、萎縮が起こり、また、筋、関節を含めた運動器全体にコラーゲンなど結合組織の増殖・配列異常が可逆的変化として生じます。

 

 

精神面での悪循環

 

痛みが長く続いていれば誰しも暗い気分になり、自分の病気がどういうものなのか、いつになったら痛みが取れるのかと不安がのしかかります。

痛みのために気分が落ち込み、無力感をもつような悪い日があり、また、高揚感があって痛みをコントロールできるような具合の良い日がある。

そして、びくびくしながら毎日を過ごし、いつも不安におびえていて、痛みに振り回されています。

慢性痛には鬱的状態も関与している事が多くあります。

身体面での悪循環

 

第一段階は、痛みのために身体を動かさなくなってしまうことから始まります。

日常生活のなかでも動くことが重荷になる。

そして、次に少しでも具合の良い日が訪れると、それまでにやれていなかったことをいきなりやり始めて、過剰に動きすぎる。

動きすぎると痛みが悪化する。

悪化すると動けなくなる。

そうしているうちに身体全体の調子が悪くなってくる。

疲れやすくなる。

慢性痛をさらに増悪させる事に繋がります。

 

 

病気としての痛み

 

病気としての痛みは、神経の可逆的変容が原因であることがわかり、痛みの概念に大きな変革が起こりました。

※可逆的変容とは、例えば柔らかい粘土をぎゅっと圧迫した時に粘土が凹んだままになったままの状態をいいます。

 

過大な痛みの入力によって、痛み系が元の状態に戻らず可逆的変容を起こします。

(もし強い痛みが持続すれば、どのレベルの脳の部位にも痛みによる負の可逆的変容が生じ、病気としての痛みに移行するリスクをもっている)

正常時には、他の系と独立して働いている痛覚系が、他の神経系と混線状態を起こした状態に変化してしまい、この状態が病気としての痛みであると考えられ、軽く触れただけでも激痛が生じる場合などもあります

1)侵害受容性疼痛

病気としての痛みにおける侵害受容性の痛みは、慢性的な炎症反応を伴う炎症性疼痛を指します。

侵害受容性の痛みには、体性痛覚神経線維が刺激されて生じる「体性痛」と、内臓痛覚神経線維が刺激されて生じる「内臓痛」があり、体性痛はさらに皮膚や体表の粘膜の痛みである表面痛と、関節、靭帯、骨格筋、骨膜の痛みである深部痛に分けられます。

内臓痛は内臓器の慢性炎症や機械的刺激、虚血性変化などにより、内臓の痛覚神経が慢性的に刺激され発生しますが、その原因部位から離れた体壁に生じる関連痛が発生する事があります。

2)神経因性疼痛

神経因性疼痛は、「神経系の一時的な損傷やその機能異常が原因となる、もしくはそれによって惹起される疼痛」と定義されます。

神経因性疼痛の原因は多彩で、多くの疾患により発症し、末梢神経系の障害性のものと中枢神経系の障害性のものがあります。

 

抹消性のものとして、

 

・糖尿病性ニューロパチー

・帯状疱疹後神経痛

・幻肢痛

・カウザルギー

・坐骨神経痛

などが挙げられ、

中枢神経性のものとして、

・脊髄損傷後痛

・視床痛

・三叉神経痛

などが挙げられます。

3)混合性疼痛

侵害受容性疼痛と神経因性疼痛の両病態の混合したものです。

・がん性疼痛

・根症状を伴う腰背部痛

・外傷性頸部症候群

 

などが挙げられます。

その症状は、持続性の自発痛、痛覚過敏、アロ二ディア(触刺激など非侵害刺激により痛みが誘発される状態)などを呈する病的持続性疼痛です。

一次痛と二次痛

 

・一次痛

一次痛はチカッと刺すような鋭い痛みで、痛覚受容器は高域値機械受容器(傷ができるほどに強く刺激した時にだけ反応する受容器)です。

・二次痛

二次痛はドーンと鈍く響くような痛みで、痛覚受容器としてきわめて重要なポリモーダル受容器は、機械的刺激、炎症メディエータ(炎症を引き起こした部位で作られる化学物質=化学的刺激)、熱刺激のいずれにも反応し、皮膚だけでなく内臓、運動器など、全身に広く分布しています。

 

ポリモーダル受容器に刺激が加わると、神経ペプチド(神経のいろいろな働きに関係する物質)が出て、付近にある血管を拡張したり、血管の壁の透過性(物質の通りやすさ)をあげたり、炎症細胞の活動をあげたりします。

 

血管が広がり血流が多くなると発赤を起こし、熱ももちます。

血管壁の透過性が上がれば、血管から水分などが外に出て、そのあたりが腫れます。

これらは炎症四兆候(発赤、熱感、腫脹、痛み)に当てはまり、ポリモーダル受容器は周りの組織に対してさらに炎症を大きくさせているということになります。

 

これは悪循環のようにも見えますが、そもそも炎症とは体の防衛反応の一つであり、体を治すためと働きなので、治す方向の働きを活性化させているとも考えられます。

 

神経ペプチドはさらに、免疫や傷の治癒、そして内臓の平滑筋などの活動も調節します。

先述の働きに加えてこれらも傷を治す働きを応援しているといえます。

 

施術による鎮痛作用

筋肉・筋膜への施術の生理学的理論背景として、

触圧覚刺激(触れられたと感じる程度の刺激)によるものでは、

・交感神経活動の抑制

※交感神経(筋肉を緊張させる自律神経)

・α運動ニューロン抑制

※α運動ニューロン(筋線維を支配して筋肉の収縮に関与)

などがあり、

痛覚刺激(痛みを感じる刺激)によるものでは、

・下行性疼痛抑制機構

※脳幹部から神経線維が脊髄後角に下行し、そこで痛みの伝達を遮断するシステム。

伝達物質にノルアドレナリン系やセロトニン系(βエンドルフィン、エンケファリンなど)がある。

上記の伝達物質は強力に痛みを軽減させます。

・広汎性侵害抑制調節

痛み信号があちこちから1度に入ったときには、最も緊急を要する場所の痛みだけが伝わり、他の場所はとりあえず後回しにして痛みが抑えられるしくみ。

 

などがあります。

 

また、手技による機械的刺激は、血液、リンパ球、組織液を流動させ、

 

・筋肉の緊張の緩和

 

・浮腫の軽減

 

・循環改善

 

・γ運動ニューロンの抑制

※γ運動ニューロン(筋紡錘を支配し筋肉の長さの調節)

 

などの変化をもたらします。

 

その中でも、筋肉・筋膜に施術する事の鎮痛効果には、侵害刺激と機械的刺激によるポリモーダル受容器の興奮が主なものとされています。 

当院の筋肉・筋膜の治療には下記の5つの方法を利用して鎮痛、筋肉・筋膜の改善、循環改善を行います。

・侵害刺激の入力

侵害刺激(強い痛み刺激)により痛みを再現させる事で、皮膚や筋肉に広く分布しているポリモーダル受容器(侵害刺激を感知する受容器)を強く興奮させ、下行性疼痛抑制機構、広汎性侵害抑制調節などを利用して痛みを軽減させます。

痛みの軽減が起こる事で過緊張状態の筋肉が弛緩します。

この『痛みの再現』が筋肉・筋膜治療の最大の特徴となります。

「あー、そこそこ」「その痛みがいつもの痛みなんです」というような感覚です。

慢性化した症状、筋肉の病変が重度に悪くなった場合などに利用します。

痛みが苦手な方には行いません。

・機械的刺激

筋肉に疲労が溜まると、筋肉内の毛細血管は圧迫され、静脈管に入れなかった組織液が滞り浮腫を起こします。

この状態を改善しようと、身体は血管を広げるためブラジキニンなどのような発痛物質やプロスタグランジンを産生し痛みが強まります。

筋肉・筋膜の治療では筋内部の浮腫(むくみ)を改善し、循環をよくする事で発痛物質の産生を抑制させ痛みの軽減を目指します。

・神経反射

交感神経(筋肉を緊張させる自律神経)の活性を抑えて、強く緊張した筋肉を緩めて血液の流れが良くなるようにします。

過緊張状態の筋肉を弛緩させる事で痛みの軽減を行います。

・筋肉の連結や膜(fascia)のつながり

急性期で炎症が強い、筋肉の血流が悪い状態が長期化していて痛い場所の施術だけでは改善が難しい場合などに利用します。

筋肉の起始と停止を詳しく観察すると筋肉の線維の始まりと終わりが骨(骨膜)のみでなく隣り合っている筋膜や腱にもある事が多いです。

また筋膜についても部分的なつながりがあります。

さらに脂肪組織や靭帯、関節包、その他の結合組織のつながりを合わせるとより広いつながりの膜(fascia)となります。

それらを考慮して痛い所以外からの施術もする事で、より安全で効果の高い施術を目指します。

・トリガーポイントへの刺激

トリガーポイントとは離れた部位に関連痛という痛みを送る発痛部位です。

痛みの原因になっているトリガーポイントを見つけ出し関連痛を解消​します。